大手食品メーカーの株式会社明治は、2000年の発売開始から累計出荷数90億個を超えるロングセラー「明治プロビオヨーグルトLG21」のプロモーション戦略として、ウェザーニューズと「胃の負担指数」を共同開発。お天気キャスターが出演する気象情報番組「ウェザーニュースLiVE」などで、天気や気温差から胃の負担度合を見える化した「胃の負担指数」を配信し、幅広い世代に訴求しています。
新たな指数開発に至った経緯や効果について、株式会社明治の簑和田樹氏と彼末航貴氏にお聞きしました。
胃の負担を「見える化」することで、新たな健康価値を生み出す
「胃の負担指数」は、気温や湿度などの気象条件による胃への負担を算出したもので、天気と連動して日々変化する胃の負担の大きさがわかる日本初の指標です。「明治プロビオヨーグルトLG21」のプロモーションに「胃の負担指数」を活用した背景にはどのような経緯があったのでしょうか。
「『LG21乳酸菌が一時的な胃の負担をやわらげる』というキャッチコピーが示すように、『明治プロビオヨーグルトLG21』は、明治独自の乳酸菌研究のなかでも、特に胃内環境での個性的な働きをする乳酸菌を使用した機能性表示食品です。
一時的な胃の負担軽減に効果があることを、より多くの消費者に知ってもらうことは、以前からの課題でした」(簑和田氏)

2000年に発売された『明治プロビオヨーグルトLG21』は、機能性表示食品のヨーグルト市場における、いわば先駆者的存在です。しかし、各メーカーから次々と新たな機能をうたったヨーグルトが発売されている昨今、商品の特徴を消費者により広く知ってもらうために必要なのは何かを考えたときに行き当たったのが、「胃の負担の見える化」だったといいます。
「全国の20~60代の男女4,700名を対象に弊社でアンケート調査を実施したところ、胃の負担により仕事や家事などの効率や生産性の低下を感じている人が58%と判明しました。ところが、胃の負担は目には見えないこともあり、気づかないまま放置している人が少なくありません。
そこで、毎日チェックする天気予報のように、胃の負担を数値化して提示することで、より多くの人が日々の生活に潜む胃の負担に気付き、もっと健康的に過ごすことができるのではないかと考えました」(簑和田氏)

専門性の高い気象データとロジックを活用し、信頼性の高い指数を算出
ウェザーニューズを指数開発のパートナーに選んだ背景には、独自の指数開発の技術力や気象データへの高い信頼性だったといいます。
「日々の天気予報だけでなく、地震情報など人の命に関わる重要な情報も発信しているウェザーニュースは信頼度が高く、説得力もあります。さらに、これまで風邪予防指数や乾燥指数など、指数開発の実績も豊富です。明治の商品でも、気象データを活かしたロジックで信憑性の高い指数を設計してくれるのではないかと期待しました」(彼末氏)

さらに、メディアとしての影響力やオリジナリティの強さも決断を後押ししたようです。
「『ウェザーニュースLiVE』には、日々の天気を伝えるウェザーニュース独自のお天気キャスターさんがいます。いつも見ているキャスターさんの言葉を通じて、『胃の負担指数』や、ご自身の胃の調子などのエピソードを伝えられれば、胃の負担をより身近に感じてもらえると考えました。ウェザーニュースやお天気キャスターの皆さんはSNS のフォロワーも多く、非常に拡散力の強いメディアであることも魅力に感じました」(彼末氏)

専門医にも監修してもらいながら、暑さの影響を受けやすい夏季と、それ以外の季節でロジックを分けて開発しました。
「たとえば、夏場に暑さが続くと身体への負担が大きくなり、食欲不振といった胃の不調を招くリスクがあります。また、胃の負担は自律神経と関わりが深いので、自律神経に大きな影響を与える気温差などの気象条件も重要です」(彼末氏)
夏季は暑さ指数(WBGT)にも影響する気温・湿度・風速・日射量の4要素を用いて、秋から春の季節は気温差や最大風速など、主に自律神経の働きに影響するといわれる要素をもとに、ウェザーニューズ独自の計算式を用いて算出。『かなり負担』『負担』『少し負担』『負担なし』の4段階で予報します。
お天気キャスターが「胃の負担指数」とLG21を番組で紹介、購買層の広がりを実感
こうして開発された「胃の負担指数」は、2023年8月21日から24時間生放送の気象情報番組「ウェザーニュースLiVE」で配信されました。

「お天気キャスターが毎日、全国の胃の負担指数や商品の紹介を生配信。毎日の天気予報と一緒に伝えることで、胃の負担を意識するきっかけ作りになっていて、とても満足しています。
『ウェザーニュースLiVE』だけでなく、その切り抜き動画を公式Xにも投稿。『天気と胃の負担が連動していることにはじめて気づいた』『胃の負担指数の予報を見て、明治プロビオヨーグルトLG21を買った』といったポジティブな反応を多数いただきました。
さらに、お天気キャスターさんのサイン入りグッズのプレゼントキャンペーンなども実施しましたが、予想をはるかに上回る応募者数があり、過去にない反響の大きさが商品のPRにもつながりました」(簑和田氏)
また、「胃の負担指数」の予報を番組やSNSを活用して配信したことにより「明治プロビオヨーグルトLG21」の購買層の広がりも実感したといいます。
「実際の購買層のメインは50~60代でしたが、今回の一連のプロモーションにより30~40代の購買層の獲得も大いに期待できる結果になりました。通勤時の満員電車や時間に追われるなどの仕事上のプレッシャーも胃の負担になっていることから、胃の負担軽減のメッセージは働き盛りのアクティブ層への共感を得たようです」(彼末氏)
気象データを活用したプロモーションに手応え、他商品の指数開発にも期待
指数開発によって本来は目に見えないはずの胃の負担を「見える化」できたことで、気象データを活用したプロモーションに大きな手応えを感じているといいます。
「日常生活のあらゆる場面に潜む胃の負担について可視化ができたことは、健康価値の提供という弊社のスローガンにもつながっています。胃に負担がかかっていることに気づいてもらうだけでなく、消費者が『明治プロビオヨーグルトLG21を食べて一時的な胃の負担をやわらげよう』という行動に辿り着いてもらえるように挑戦を続けていきます」(簑和田氏)
「明治ではヨーグルトのみならず、お菓子や栄養食品など幅広い商品をご提供しています。たとえば昨年は猛暑でアイスクリームの売上げが過去最高を記録しましたが、他の商品でも気象データを活用した新しい指数を武器にすれば、さらに伸長できる可能性があるのではと期待しています」(彼末氏)
人々の健康や社会に貢献することを目指す株式会社明治は、食と健康のプロフェッショナルとして、これからも一歩先をいく新しい健康価値を創出し続けます。