国内外に約1400店舗、30以上のファッションブランドを展開する株式会社アダストリア。その働く女性向けブランド「Andemiu（アンデミュウ）」では、天気による毎日の服選びのお悩みを解決するため、気温データを活用した新たなプロモーションに挑戦しました。ウェザーニュースキャスターとコラボ企画で開発した気温調整できるアイテムや、その日の体感に最適なコーディネートを提案する広告を配信。その成果や手応えについて、株式会社アダストリア アンデミュウ営業部の髙橋舞子氏にお聞きしました。
『今日の天気なら、何を着ればいいの？』に応えるコーディネート提案で服選びをお手伝い
「一日のうちでも朝昼夜と気温差が激しく、毎日の服選びに悩むことが増えている昨今。春秋が短く、真夏から真冬に一気に体感が変わることから、トレンチコートのような中間服のニーズが減って、『何を着ればいいのか迷う』というお客様の声も増えました。特に働く女性からは、半袖ジャケットやキチンと感のあるカーディガンのような仕事にも適した清潔感がありつつ、より快適に過ごせる装いが求められるようになっていました」（高橋氏）
そんな背景もあり、気温によって異なるスタイリングを提案することで、お客様の役に立てるのではないかと考え、「気温対策×ファッション」という新たな施策を試みました。
「多くの働く女性に支持されるお天気キャスターは、Andemiuが掲げる『好印象』『スタイルアップ』というコンセプトとも合致しました。ウェザーニューズ社への予報の信頼感とターゲット層へのリーチ力の高さも気象データ活用の決め手になりました」（高橋氏）
まずは、2024年秋に「ウェザーニュース」アプリ上で、その日の気温に最適なコーディネートを紹介するバナー広告を配信。コーディネート企画はSNSでも反響があり、2025年春にはお天気キャスターとのコラボ企画も合わせて実施しました。
お天気キャスターの視点で気温調整できる服を開発、今日の体感にピッタリのコーデを広告配信
コラボ企画では、ウェザーニューズ社のお天気キャスターにヒアリングして、天気予報の観点と実際の使用ニーズを反映した商品を開発しました。1年を通して長く使える“素材”とおしゃれには欠かせない“映え”を兼ね備えたワンピースと、気温調整はもちろんトレンドデザインで持ち運びもラクにこなせるカーディガンは人気アイテムになったといいます。
「お天気キャスターならではの『アウターのなかにも着られるような気温調整しやすいものを』『桜の時期にはピンク色のアイテムを身につけたい』といった意見も新たなニーズの理解につながりました」（高橋氏）
広告施策としては、最高気温や最低気温に着目して3つのグループをつくり、各気温帯に最適なコーディネートのバナー広告を表示しました。 「たとえば朝は10℃以下と寒いのに、日中は20℃を超えるあたたかさになるという天気予報の日は、『朝はコート＋カーディガン』→『日中はカーディガン1枚でもOK』となるようなスタイリングを提案するなど、実用的な視点を取り入れた表示にもこだわりました」（高橋氏）
SNS反響高＆PV数200%で広告効果に手応え、業界内でも注目を集めてブランド価値向上に
広告の実施期間中、AndemiuのサイトのPV数は通常の200％ほど流入が増えたといいます。特に初回はインスタライブでの告知やお天気キャスターからの配信も相まって、集客・購買・フォロワー数、すべてに好影響を与える結果となりました。
「気温別コーディネート提案と広告配信の親和性が高く、新しいターゲット層にリーチできたと実感しています。SNS上でも『働く女性の気温悩みに応える説得力ある企画』として好意的な声が多数寄せられました」（高橋氏）
今回のAndemiuの取り組みは業界内での注目も高かったといいます。 「ファッション専門メディアでは、企業が参考にしたい企画として取り上げられました。Andemiuが『面白いことをやっているブランド』としての認知度アップに貢献するなど、売上だけでなくブランド価値向上にもつながったと感じています」（高橋氏）
今後も変化する天候に適応するファッションで笑顔を届けたい
Andemiuの「働く女性をファッションで笑顔に」というブランドテーマに沿って、今後も天気や気温の悩みに応えるコンテンツを検討していきたい、と話します。
「天候が読めない時代だからこそ、『何を着たらいいかわからない』という声に寄り添うことが、ファッションブランドの信頼につながると考えています。例えば、毎日閲覧していただけるようなファッション提案のページを、日常的に気温と連動させて情報発信することも、お客様にとって役立つコンテンツになるのではないでしょうか」（高橋氏）
気象データで服選びのお悩みを解決する取り組みは、ブランドの魅力を広げると同時に、他社との差別化を後押しするものになる可能性を秘めているはず。今後も進化を続けるAndemiuの取り組みから目が離せません。
