導入事例

株式会社旭フーズ

代表取締役 菊地拓也氏

ドライバーの命と食の安定供給を守りたい、道路状況の先読みで荒天時のトラブルや事故ゼロに

業務用食材の卸売販売の企業として、新潟・長野・山梨と関東の約300店舗の飲食店を中心に食品や飲料などを配送している株式会社旭フーズ。企業向け気象情報「ウェザーニュースfor business」の交通影響予測を活用して配送可否や遅延リスクを把握することで、より安全で効率的な配送を目指しています。配送への活用方法や効果について、株式会社旭フーズ 代表取締役の菊地拓也氏に伺いました。

2024年問題が迫る物流現場で、ドライバーの命を守るため詳細な気象情報が必要に

食材を自社で配送する旭フーズは、当時ドライバーの労働時間を規制する「物流の2024年問題」に危機感を募らせていたといいます。

「弊社があるのは埼玉県日高市。新潟や山梨をはじめ、遠方エリアへの配送は気象リスクが高く、道路封鎖などの影響も少なくありません。以前は協力関係の運送会社が担っていた遠方への配送を、社内のドライバーが行う必要が出てきたことで、納期の遵守だけでなく、社員の安全確保が経営の重要事項となりました」(菊地氏)

旭フーズでは荒天の可能性がある場合、勤続10年以上のトラック運転に慣れているドライバーが2人1組で特別配送班を組んで、安全を第一に配送業務を行っています。そんなベテランのドライバーでも、2020年や2021年の大雪時は甲信越エリアで立ち往生を経験しており、心理的な負担があったといいます。以前も道路の交通情報は常に監視していましたが、ライブカメラによる目視が中心だったため、情報が断片的で社員間での情報共有も十分ではなかったそうです。

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近年にない積雪が甲信越エリアで発生 (左)2020年12月18日湯沢、(右)2021年1月12日上越

「荒天時にYouTubeで『ウェザーニュースLiVE』の気象番組を視聴していて、警戒レベルの表示の意味や非常時の対応、専門家による的確な解説を聞いているうちに、ウェザーニューズ社の情報は単なる天気予報ではなく、命を守る情報だと認識しました。

事前に予測できるのであれば、社員の命を守るために活用しない手はない。そう確信して『ウェザーニュースfor business』の導入を本格的に検討するようになりました」(菊地氏)

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物流センターに全国・海外から商品を仕入れ、 冷凍庫等での保管、仕分、配送まで一気通貫で行う

72時間前から戦略的配送計画をサポート、精緻な予報で配送リスクを先読み

旭フーズでは、荒天リスクが予測される72時間前から専用の気象情報を活用している。パソコンの画面で予報を確認しながら、取引先への事前のアナウンスやドライバーの確保、運送会社との連携体制などを整えていきます。気象レベルに応じたドライバーの選定の他、配送ルートや時間帯の調整、さらには出発そのものの可否判断など、変化を続ける情報に合わせて最適な配送計画を立てていき、最終的な判断は当日の朝に行うといいます。

「『ウェザーニュースfor business』を導入したことで、交通影響予測や雨雪レーダー、風の予想などを参考にしながら、配送にかかわる判断を躊躇なくできるようになりました。発注は通常、前日の11時までに受付をし、2日分の在庫を注文いただいていますが、道路状況によってそれが難しい場合に、気象情報を根拠に円滑に対応できるようになっています。

また、社員と1つのプラットフォーム上で情報共有し、同じタイミングで判断、行動できる体制をつくることも導入目的のひとつ。社員たちが異なる場所にいても、各自が気象情報を見ることで、自分事としてわかり合えることも大切なことだと思います」(菊地氏)

「ウェザーニュースfor business」によるさまざまな情報を、意思決定を支える柱とし、戦略的判断材料として活かされています。

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荒天時は特殊配送部隊が予測をもとに配送ルートを検討する

困難を乗り越えて得られた安心と信頼、BCP評価も高まり災害に強い会社へ

2023年から2024年の冬にかけて寒波が襲来したときには、「ウェザーニュースfor business」の交通影響予測が真価を発揮しました。当時は国土交通省が実施する「予防的通行止め」により道路の一部が封鎖される事態になりましたが、旭フーズでは事前に情報を入手しており、配送停止や最適なルートへの変更を迷いなく決断することができました。

「配送をストップさせるには勇気が必要ですが、『やってよかった』と思える結果になりました。社員の事故やトラブルもゼロ。得意先のお客様からもさらなる信頼を寄せていただきました」(菊地氏)

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2025年2月8日の積雪予報、四角は配送先の大雪リスク
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2025年2月19日の配送トラックの様子

さらに、この一連の対応が、政府が推進する事業継続力強化計画(BCP)に合致していることから、外部評価にもつながったといいます。

「外部アドバイザーからは、『荒天時に協力会社との連携まで含めて、BCP運用を実現できているのは珍しい』と高い評価を受け、令和7年に経済産業省関東局様より連携事業継続力強化計画の認定をいただきました」 (菊地氏)

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拠点や配送先の気象情報を一目で確認できる (2024年10月7日の天気報告と雨雲レーダー)

気候変動時代の変化に適応し、有事の際は支援物資の配送で地域を支えたい

地球温暖化の影響により災害の発生頻度や深刻さが増している昨今、旭フーズは「変化を受け入れ、適応していく」という企業文化の醸成を目指す。

「気候変動を食い止めることは難しくても、変化に柔軟に対応していく力を高めることは可能です。社内全体で気象を学び、有事の際は地域の公共機関と連携し、支援物資の配送なども積極的に行っていきたいです」(菊地氏)

旭フーズは今後も災害に強い会社を目指して、気象情報の活用を推進していくと話します。

株式会社旭フーズ

事業内容

業務用食材の卸売販売。全国や海外からの商品の仕入れ、保管、仕分、配送を担う

特徴

食品や飲料の配送業務に「ウェザーニュースfor business」の交通影響予測を活用

規模

51~300名

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