導入事例

株式会社ソミック石川

安全管理部 BCM 推進室 浅野光伸氏、伊藤剛氏

台風による浸水被害を教訓に、従業員の安全確保と事業継続マネジメントを実現する工場の気象リスク管理

世界中のカーライフを支える自動車部品メーカーのソミック石川は、国内トップシェアの車の足回り部分「ボールジョイント」を中心に製品の開発・製造を手がけています。世界7か国に拠点を展開しており、国内の生産拠点を静岡県浜松市に構えます。台風の通り道となりやすい太平洋側に位置し、地形的にも台風や大雨の影響を受けやすい静岡県の工場で部品を製造しています。そんな同社ではグループ会社も含めて法人向け気象情報「ウェザーニュース for business」を活用し、各拠点での気象リスク管理を実施しています。

今回は、同社の事業継続に欠かせない情報の一つになっている気象情報の活用について、安全管理部BCM推進室 浅野光伸氏、伊藤剛氏に伺いました。

2022年台風15号がターニングポイント、工場の浸水でより精度の高い気象情報の必要性を実感

「ウェザーニュース for business」の導入以前は、気象庁や他社の気象サービスを活用していましたが、2022年9月23日に発生した台風15号による大雨の被害をきっかけに考えが変わりました。 台風15号のときは工場内が浸水して生産ラインが一時的に停止。さらに夜勤スタッフの通勤時に、道路冠水で車両被害も発生しました。当初は激しい雨になる予測ではなく、対策会議を開く基準には満たなかったため会議は開催していませんでした。ところが数時間後には深刻な状況となってしまいました。

2022年台風15号の浜松市や磐田市周辺の冠水状況
「ウェザーニュース for business」の「写真&動画リポート
2022年台風15号の浜松市や磐田市周辺の冠水状況 「ウェザーニュース for business」の「写真&動画リポート

「生産ラインが 1 度止まると、お客様のラインにも影響が出てしまいます。数時間程度で復旧できれば挽回可能ですが、それ以上になると厳しい状況になります」(伊藤氏)

この経験から、より精度が高く、リアルタイムで正確な気象情報を入手できるシステムの必要性を強く感じました。 そんな中、以前から個人向けの「ウェザーニュース」アプリを利用していた社内役員から「それぞれが業務をしながら気象情報を監視するのは難しいこともあるため、スマートフォンにプッシュ通知が届くサービスが良いのでは?」との助言もあり、2023年7月に法人向けの「ウェザーニュース for business」のトライアルを開始し、同年9月に正式導入に至りました。

主力製品であるボールジョイントは、自動車の基本性能である「走る」「曲がる」「止まる」のうち、「曲がる」機能を支え、ハンドル操作をタイヤに伝えるために必要不可欠な部品
主力製品であるボールジョイントは、自動車の基本性能である「走る」「曲がる」「止まる」のうち、「曲がる」機能を支え、ハンドル操作をタイヤに伝えるために必要不可欠な部品

生産部門 /非生産部門で情報連携体制を構築し、組織全体への情報共有を効率的に

ソミック石川では、台風情報や雨雲レーダー、各拠点の降水量予測などを日々監視し、「1時間に50mm以上の雨」や「台風の接近」を対策会議開催の判断基準にしています。

現在、役員やBCM推進室、各部門長、被害想定時に対応する部署などが利用。加えて、夜勤時の判断体制強化のため、夜勤責任者も使っているそうです。

ウェザーニュース for businessで拠点のリスクを確認する様子
ウェザーニュース for businessで拠点のリスクを確認する様子

全従業員に対してはBCM推進室から注意喚起の情報を発信し、「非生産部門」のオフィスでは、例えば翌日の出勤に影響する可能性がある場合は、管理職が必要に応じてリモートワークの促進やフレックス出勤対応などを日本語と英語のメールなどで発信しています。

注意喚起の情報を社内に共有・発信するメールのイメージ
注意喚起の情報を社内に共有・発信するメールのイメージ

これにより、「ウェザーニュース for business」上で実際に気象リスクを確認できる人は限られていても、組織全体への効率的な情報伝達が可能になっているといいます。

また、PC をメインに利用する「非生産部門」ではパソコン版、スマートフォンで情報確認する「生産部門」では屋外での運搬作業があるので「通知機能は、パソコンを見ていなくても情報を得られ、すぐに詳細を調べることができる」と好評だそうです。「非生産部門」は自主的に各部門長から部下に情報共有しているといいます。

屋外での作業する部門はスマホから情報を確認
屋外での作業する部門はスマホから情報を確認

有料版はやはり違う、拠点ごとの気象情報をリアルタイムに入手できるのが利点

「ウェザーニュース for business」導入で最も効果が大きかったのは、リアルタイムで正しい気象情報を入手できるようになったことだそうです。 導入当初は「気象情報に有料版は必要ないのでは?」という声もありましたが、現在では十分な満足度を得ているといいます。

「従来は広範囲の気象情報しか確認できませんでしたが、拠点ごとに見られるようになったことで、より精密な対策を立てることができるようになりました」(浅野氏)

台風の情報を確認・共有する様子
台風の情報を確認・共有する様子

拠点ごとの情報が一元的に管理されて、組織で統一された判断基準をもとに対応できるようになったことで、対策を立てやすくなったという実務面での改善を実感しているそうです。

また、プッシュ通知を設定しておくと拠点の気象警報が迅速に届くため、スピーディーに対応できるようになり、運用の効率化にもつながっているようです。

単なる情報ツールではない、人命第一の理念を支える総合的なリスク管理システムの一部

人命第一を重視する同社では、年に複数回の避難訓練や安否確認システムを活用した注意喚起など、総合的な安全管理体制の中で「ウェザーニュース for business」が重要な役割を果たしています。

浅野氏は「ウェザーニュース for business」を単なる気象情報確認ツールとしてではなく、従業員の安全確保と事業継続のための総合的なリスク管理システムの一部として位置づけています。と語り、今後もさらなる活用拡大に向けて検討を進めているそうです。

静岡県という自然災害リスクの高い地域に拠点を構える製造事業者として、ソミック石川は「人命第一」の理念のもと、サプライチェーンを守り抜くため、気象リスク管理体制のさらなる構築と継続的な改善を進めていきます。

株式会社ソミック石川

事業内容

自動車部品(ボールジョイント)の開発・設計・製造・販売

特徴

BCP対策に「ウェザーニュース for business」を導入

規模

1001〜5000名

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