導入事例

エステー株式会社

事業統括部門 防虫・衛生事業部 中川貴之氏

「ムシューダ指数」で防虫剤の効果的な販促を実現

「空気をかえよう」をスローガンに消臭芳香剤や脱臭剤、除湿剤などの市場で独自性の高い商品を展開するエステー株式会社では、ウェザーニューズ社の気象データ提供・分析サービス「ウェザーテック(WxTech®)」で「ムシューダ指数」を導入し、国内最大のシェアを誇る防虫剤「ムシューダ」の販売促進策に大きく役立てています。

「ムシューダ指数」を導入した理由や、活用法の実態について、エステー株式会社 事業統括部門 防虫・衛生事業部の中川貴之氏にお話を伺いました。

衣替えと連動する防虫剤マーケットには気象情報が必須

1988年の発売以来「においがつかないムシューダ」のキャッチコピーでおなじみの、エステー株式会社の防虫剤「ムシューダ」は、国内市場で約54%というトップシェアを誇っています(※)。防虫剤の売り上げのピークは例年2回、春と秋の衣替えの時季に集中しています。 ※(株)インテージ SRI「衣類用防虫剤(金額シェア)」(2019年1〜12月)

「春ならちょっと暑さを感じるようになったときに夏物に替えようか、秋なら肌寒さを感じた時に冬物を出そうかと、タンスやクローゼットから服の出し入れを始めます。このようにユーザーの購買行動は気温に影響されるので、衣替えの時季の気温によって、マーケットの動向を予測できれば、適切な販売促進策が打てます。防虫剤のナンバーワンメーカーとしてマーケット全体を語るためにも、精度の高いデータからつくられた客観的な予測モデルが必要でした」(中川氏)

売り上げのピークは、春と秋の衣替えシーズンと重なる
売り上げのピークは、春と秋の衣替えシーズンと重なる

需要ピークの見える化が、適切な販売促進策につながる

エステー株式会社の営業部門では、毎週更新される「ムシューダ指数」を販売店など得意先への販促提案に活用しています。

「指数のベースとなっているのは、春なら最高気温、秋なら最低気温といった予測や過去実績などで、何度もトライ&エラーを繰り返しながら予測モデルを組み直して、今では完成度の高い内容となっています。そのおかげで、マーケットの動向や今年のピークはどこに来るのかと尋ねられた際に、具体的に答えることができるのです。

たとえば、得意先の担当者が替わられて、営業サイドとの信頼関係を一から築いていくタイミングでも、数値化されたデータがあることによって、この週に売れそうなアイテムをチラシに掲載しましょうとおすすめしたり、特設売り場を作りましょうと提案したりという事前の販売促進策が可能になります。防虫剤の需要予測を数値化したことで効果的な販促をご提案できるので、得意先に対する説得力も増してくるのです」(中川氏)

防虫剤「ムシューダ」は引き出し・衣装ケース用やクローゼット用、香りつきタイプなど豊富なラインナップが揃う
防虫剤「ムシューダ」は引き出し・衣装ケース用やクローゼット用、香りつきタイプなど豊富なラインナップが揃う

「ムシューダ指数」が販売店との信頼関係構築の一助に

「ムシューダ指数」には、過去の実績、消費税の改正、新型コロナウイルスの影響、台風の影響などの過去の特殊要因も加味して来期の予測をたてるといいます。また、想定される未来の特殊要因も予測に組み込んでいるとのこと。たとえば2019年の場合、10月に消費税増税が予定されていたため、本来のピークとは異なり9月末に需要のピークが来ることを予測に組み込み、的中させました。

「特殊要因も含めて指数の予測・作成は、ウェザーニューズ社さん側にお願いしています。その時どきの状況を把握していただき、事前にこういう要素があります、どうしますか、とご提案をいただいたりしています」(中川氏)

当然、エリアによって異なるデータも組み込まれています。

「全国各地のピークはそれぞれの気温変化によって異なります。札幌、仙台、埼玉、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、高松、福岡の全国10エリアで、個別に作成・提供されているので、地域によって細かく変わるシーズンのピークをピンポイントで予測することができます。こうした細かいデータを積み重ねることで、信憑性と具体性をもったセールスをすることができ、得意先との信頼関係の構築に大きく役立っています」(中川氏)

近年は販売店側も在庫を考慮されるようになっており、「ムシューダ指数」は売り場の立ち上げや維持・撤収のタイミングを図るためのトータルツールとしても用いられているそうです。

エステー株式会社 事業統括部門 防虫・衛生事業部 中川貴之氏
エステー株式会社 事業統括部門 防虫・衛生事業部 中川貴之氏

気象データで季節商材のマーケティング高度化を目指す

ムシューダ以外にも、エステー株式会社の商品は、エアケア(消臭芳香剤)、サーモケア(使いすてカイロ)、ハンドケア(手袋)、湿気ケア(除湿剤)、ホームケア(クリーナー、その他)など、多岐にわたっています。

「我が社の製品は季節商材も多く、天候と売り上げが密接に結びついています。『ムシューダ指数』で需要のピークをより正確に予測できるようになったように、気象データを活用することで、マーケットの需要の読み込みがいま以上にできるはずです。

すでにサーモケアの分野でも『カイロ指数』を活用していますが、除湿剤など他ジャンルでも、気象データをマーケティングに役立てる取り組みが、さらに必要になると考えています」(中川氏)

幅広い生活用品を取り扱うエステー株式会社のスローガンは、「空気をかえよう」です。商品を通してお客様の暮らしを明るく元気にしていきたいという願いが込められています。新型コロナウイルスの関係で、公共の場で楽しむことが難しくなった昨今、「せめて家の中での暮らしを少しでも快適にするお手伝いができれば、というのが私たちの思いです」(中川氏)。

気象データを有効的に活用しながら、防虫剤のナンバーワンメーカーとして「空気を変える」商品の展開をさらに推し進めていくといいます。

エステー株式会社

業界

事業内容

防虫剤・消臭芳香剤など化学製品メーカー

特徴

防虫剤のマーケットの動向や需要ピーク週を予想

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