導入事例

須山建設株式会社

都市ブロック 建築グループ 田光雅之氏、管理グループ 木野真生氏、江間諒輔氏

気象情報で人手不足の時代を乗り越える!荒天を避ける計画的な施工で安全性と施工品質の向上を実現

静岡県浜松市に本社を構える須山建設は、創業から約120年にわたって地域と共に歩んできた総合建設会社。最適な施工判断と現場の安全性向上を目指して、気象IoTセンサー「ソラテナPro」と法人専用の気象情報「ウェザーニュース for business」を導入しています。 気象情報を活用した作業の実施判断やスケジュール調整などについて、須山建設株式会社 都市ブロックの木野真生氏、田光雅之氏、江間諒輔氏に詳しく伺いました。

作業員やドライバー不足で、荒天による急な計画変更は致命的

静岡県西部は、夏場の猛暑と「遠州のからっ風」と呼ばれる冬場の乾いた強風が特徴の地域です。須山建設はこうした自然環境の静岡県で、建築や土木を問わず、地域に根差した建設工事を多数手がけています。

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建設中の高等学校の校舎

一方で、ここ数年は生コン車やレッカー車のドライバーや、現場作業員の不足から、その確保が難しく、気象の急変による工事の中止や延期が続くと、スケジュールが大幅にずれこんでしまうという課題もありました。

「前日や当日にキャンセルすると、次に手配できるのは1週間後になってしまったりするので、雨が降るならできるだけ早めに段取りを変更する必要があります。

他にも安全衛生法で『悪天候による作業規制・点検業務』が定められていますが、以前はその判断基準が曖昧なところもありました」(木野氏)

そこで、抱えていた複数の課題を解決する手段として「ソラテナPro」と「ウェザーニュース for business」の導入を決めました。

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「ソラテナPro」は現場の気温・湿度・気圧・ 雨量・風向・風速・照度の7要素を1分毎に観測する

高精度な気象情報で、早期の工程調整と安全・品質確保のための作業実施を判断

「ソラテナPro」と「ウェザーニュース for business」を併用することで、気象情報をもとに、外装工事や外構工事の工事標準仕様書に記載されている気象環境条件における作業中止判断や、安全衛生法で定められている大雨や強風などの悪天候時の作業中止判断を実施しているといいます。

「『ソラテナPro』は作業現場に設置し、風速や雨量をはじめとする安全と品質に関わる気象データをリアルタイムで可視化、数字で作業環境を把握しています」(田光氏)

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「ソラテナPro」の観測データをモニタリングする田光氏

「『ウェザーニュース for business』でも、30時間先までの雨雲レーダーや熱中症情報などを随時活用し、作業中止判断をデータに基づいたものにシフトしています」(田光氏)

特に効果を実感しているのが、コンクリート打設時の判断だといいます。

「これまでは各自がテレビやネットでそれぞれ調べた、長くても2~3日先までの天気予報を見ながら 『明日は大丈夫だろう』と予想して作業を進めていました。導入後は高精度な予報や、雨雲レーダーをもとに、リスクがあるなら前倒しや延期といった選択肢を含め、早めに検討できるようになりました」(江間氏)

明確な判断基準で説得力のある指示が可能に、気象情報の活用が業務全体に浸透

判断基準が明確になったことで、現場の作業員にも働きやすさの面で変化をもたらしています。

「ひと目見て今の現場の気象環境がわかるようになったことにより、たとえば『風速が10m/sを越えているので作業を中断しましょう』という指示も説得力をもって作業員に伝えることができるようになりました」(木野氏)

また、気象データの活用は、作業スケジュールの管理や作業の中止・再開の判断にとどまらず、業務全体に浸透してきているのを実感しているとのこと。

「解体工事では、風速や風向のデータを確認するケースも増えています。強風時に粉塵飛散を抑えるための散水や、周辺の一般駐車場に停めてある自動車の養生カバーの設置の要否の判断をするために使っています。屋外作業では、暑さ指数(WBGT)の予測を見ながら、日陰作業を優先したり作業時間を調整したりするなど現場単位で柔軟な対応が可能になりました」(江間氏)

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ウェザーニュース for business」は パソコンやスマホから様々な気象情報を確認できる (上)熱中症情報、(下)「ソラテナPro」の観測データ

将来の監督不足を見据えて、気象の遠隔管理で作業の効率化や安全性を確保したい

今後は、人手不足に備えて遠隔管理の強化を視野に入れていると話します。

「これからは現場で働く作業員だけでなく、監督も不足していくことが予想されます。そのような状況下で、少ない人数でも現場を効率よく回していくためには、遠隔からも状況を把握できる仕組みが必要です。現場の観測データと気象予報を活用すれば、たとえ現地にいなくても的確な判断や指示が出せる体制をつくっていけると思います」(木野氏)

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現場事務所では観測データを常に表示し、 現場の気象変化にいち早く気がつけるようにしている

天気という自然のリスクに真摯に向き合う須山建設の取り組みは、作業の効率化だけでなく、施工の品質や現場で働く作業員や地域の人たちの信頼を高め、人口減少が懸念される将来への問題解決のヒントを握っているといえそうです。

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須山建設株式会社

事業内容

静岡県を中心とした地域に根差す土木・建築を広く扱う総合建設会社

特徴

建設現場の天気予報と観測データをスケジュール管理や安全対策などに活用

規模

51~300名

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