三重県北部に位置する人口約30万人の四日市市は、中京工業地帯の代表的な工業都市ですが、東は伊勢湾、西は鈴鹿山系といった豊かな自然にも恵まれています。そんな四日市市では、市民の安全対策に法人向け気象情報「ウェザーニュースfor business」を導入しています。気象情報の具体的な活用法や効果について、四日市市 危機管理統括部 高橋彦輝氏にお聞きしました。

外出先では職員の情報共有に課題、スマホで気象情報をリアルタイムに把握したい
四日市市では、ここ5年程、避難情報を発令するような災害は発生していませんが、一級河川鈴鹿川水系など4水系の河川があり、荒天時の河川水位の変化には特に注意する必要があります。
これまでは雨雲の動きや雨量、河川の水位などの気象情報をパソコン画面で見て、職員の出動や避難情報の発令を検討していました。しかし、突発的に発生する降雨災害などが増えてきたことから、さらに迅速に対応できるように、スマートフォンで専門の気象情報を確認したいと考えました。
「状況確認のたびにパソコンの画面を見る必要があったため、リアルタイムでの職員間の情報共有が難しいという問題を抱えていました。特に夜間や休日に緊急対応が求められる場面では、一刻も早く対応することが大切です。そのためには、いつどこにいても状況確認が可能なスマホで、必要な職員へ迅速に情報共有できる環境を整えたいと考えて、『ウェザーニュースfor business』の導入に至りました」(高橋氏)

危機管理の担当者らがプッシュ通知で気象リスクを同時に把握、台風接近や河川氾濫の警戒に役立てる
現在は「ウェザーニュース for business」の雨雲レーダーをスマホで確認して、河川水位の上昇予測や事前警戒の判断に役立てています。
「市内には突発的な降雨によって、水位が急上昇する河川があり、ちょっとした雨でも常に水位を確認する必要がありました。『ウェザーニュース for business』導入後は、スマホの雨雲アラームで雨雲の接近を知り、河川水位の状況をリアルタイムで確認できるようになりました。河川のライブカメラ情報とリンクしていて見やすい点もよかったです。パソコンを開く手間が省けて、移動先などでもチェックできるので重宝しています。」(高橋氏)
また、2024年の台風10号の際には「ウェザーニュース for business」の台風情報を確認して、津地方気象台の情報と比較して市の対応方針を決定しました。
「以前は各機関から発表されている台風予測を個別に調べて比較していましたが、『ウェザーニュース for business』の導入後はあらゆる情報を一括で確認できるようになりました。その結果、情報収集の時間が短縮でき、これまでより意思決定のスピードが上がりました。」(高橋氏)

防災は市全体の役割と捉え、全庁的な気象情報活用で市民の安全を守りたい
「ウェザーニュース for business」を利用した職員からは「プッシュ通知はすぐに端末操作に移れて便利」「地図から直感的に作業ができて、わかりやすく使いやすい」といった意見があり、市職員の防災リテラシーの向上につながることが期待されています。
「“防災”は危機管理課だけの仕事ではなく、市全体の役割だと思っています。各職員が日常的に天候を意識することで全庁的な『防災力』を高めていきたいです」(高橋氏)
四日市市は気象情報の活用をさらに進めることで、市民の安全対策を強化していきます。
