7月以降、東日本を中心に湿った空気の影響を受け続け、曇りや雨の日が多くなっています。特に9月は、本州南岸に停滞した秋雨前線や相次ぐ台風の影響により、厚い雲に覆われる日が連続。日照時間は観測史上でも極めて異例な短さとなりました。
この記録的な日照不足は、エネルギー業界に強烈なインパクトをもたらしています。太平洋高気圧に覆われて厳しい残暑と強い日差しが照りつけた昨年の9月と比較すると、東京エリアの太陽光発電量はほぼ半減。カーボンニュートラルに向けて太陽光発電設備の導入が進む一方で、「天候リスクが事業・需給に与える影響の大きさ」を改めて痛感させられる1ヶ月となりました。
記録的な日照不足と長雨 太陽光発電量は大幅減

2026年9月は、秋雨前線や台風25号などの影響により、東日本を中心に記録的な多雨と日照不足に見舞われました。連日厳しい残暑に見舞われた前年(2025年)の9月とは一転し、極端な天候不順が続いています。
東京都心の観測データによると、9月の日照時間はわずか45.8時間にとどまり、平年の4割弱という異例の水準となりました。昨年の158.3時間(平年比1.25倍)と比較すると、実に112.5時間減少(約70%減少)となりました。全天日射量も238.5MJ/㎡と、前年の430.5MJ/㎡から約45%減少しています。
象徴的だったのが雨の長さです。東京都心では8月27日から10月2日にかけて37日連続で降水を観測し、これまで最長だった2019年の記録(33日間)を更新しました。太陽光パネルにたっぷりの日差しが満足に届かない日々が、1ヶ月以上にわたって続いたことになります。

この日照不足は、発電実績に容赦なく反映されました。東京電力パワーグリッド管内における太陽光発電量は月間合計1,187,396MWhにとどまり、前年同月(2,182,478MWh)から約45.6%(995,082MWh)の大幅減となりました。総発電量に占める太陽光の比率も、前年の10.3%から6.7%へと急低下しています。 再エネ導入の加速によって太陽光パネルの設備容量自体は年々積み増されているにもかかわらず、天候の急変によってそのポテンシャルが完全に相殺され、発電量がほぼ半減するという厳しい現実が浮き彫りとなりました。
残暑不発で需要も低調 「供給減・需要減」が重なった9月

記録的な長雨と日照不足は、気温の上昇を強く抑制しました。東日本では本来続くはずの残暑がほとんど見られず、東京都心の9月の平均気温は22.7℃(平年差−0.6℃)と、猛烈な残暑が続いた前年とは対照的な気候となりました。
そのほかのエリアでも、平均気温は平年より若干高めとなった程度で、「今年の9月は冷房を使う機会が少なかった」と感じられる方も多かったのではないでしょうか。
この気温の伸び悩みは、電力の「需要面」にも大きな下押し圧力をかけました。オフィスや家庭での冷房稼働が低調に推移したことで日中のピーク需要が削ぎ落とされ、電力需要全体が大きく冷え込みました。
東京エリアの実績を前年と比較すると、月間平均需要は34,181MWから29,402MWへと約14%縮小。月間最大需要にいたっては55,203MWから45,248MWへと、およそ1万MW(約18%)も落ち込む結果となりました。
一般的に、太陽光発電量が減少すると需給が引き締まりやすくなりますが、今回は天候不順による発電量の減少と、残暑の弱まりに伴う電力需要の低下が重なる形となりました。
需要側も落ち着いていたため、全体の需給が大きく逼迫する事態には至らなかったものの、発電事業者や小売電気事業者にとっては前年実績や季節トレンドとの乖離が大きく、日々の調達調整や需要想定において慎重な対応が求められる1ヶ月となりました。
まとめ:天候急変期における需給管理の重要性
太陽光発電量と電力需要が、「天候」という共通の要因によって同時に大きく変動する局面では、日々の需給バランスのコントロールや電力調達計画の難易度が一段と上がります。
特に近年は、猛暑による需要急増と今回のような長雨による供給急減といった、天候の振れ幅が極端化する傾向にあります。こうした環境下で安定運用とコスト最適化を両立させるためには、天候変化を捉えた高精度な「発電量予測」および「電力需要予測」に基づく事前のアクションが欠かせません。
気象データを活用した需給マネジメント
気候変動や海洋環境の変動(エルニーニョ/ラニーニャ現象など)に伴い、過去の経験則だけでは見通せない天候リスクが増加しています。
・太陽光発電量予測:日射量の変動を捉え、前日・当日の発電計画策定をサポートします。
・電力需要予測:気温・日射量などの変化に応じた高精度な需要推計により、過剰調達や調達不足のリスクを軽減します。
ウェザーニューズでは、急変する天候リスクに対応したエネルギー市場向け予測ソリューションを提供しています。今後の需給計画の高度化にぜひご活用ください。
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発電量・電力需要実績のデータ元:東京電力パワーグリッド「でんき予報」























