7月20日(月)、関東甲信および東海地方でも梅雨明けが発表されました。また、21日(火)には岐阜県郡上市のアメダス八幡で最高気温40℃を観測しました。今年国内で初めての40℃到達で、「酷暑日」の名称が決定してからは初めての40℃になります。屋外での農業に従事される方々にとって、これから数日間は安全管理と作物管理の両面で一層の備えが急務となっています。
梅雨明け直後は農作業中の熱中症に要警戒

梅雨明け直後のこの時期は、体がまだ暑さに慣れていない(暑熱順化ができていない)ため、農作業中の熱中症が急増しやすい傾向にあります。農林水産省が例年呼びかけているように、梅雨明け後の数週間は熱中症搬送が集中しやすく、特に注意が必要な時期です。農作業中は水分・塩分の定期的な補給と、こまめな休憩の確保を徹底してください。
農作業特有の高リスク環境

農業従事者の熱中症リスクは、一般的な屋外作業と比べても特に高い状況にあります。以下に示す農作業特有の環境がその主な背景です。
(1)遮蔽物のない圃場での長時間作業:水田・畑・果樹園では日陰がほとんどなく、直射日光を全身に受け続けます。
(2)高温多湿の環境:梅雨明け直後は湿度が高く、汗が蒸発しにくいため体内に熱がこもりやすい状態が続きます。
(3)作業を中断しにくい時間帯:収穫や水管理などは気温が上昇する時間帯にも対応が必要なケースがあり、無理をしてしまいがちです。
(4)一人作業が多い:症状が悪化しても周囲に気づいてもらえないまま重症化するリスクがあります。
WBGT(暑さ指数)が28℃を超える場合は屋外作業を原則中止するなど、明確な基準を事前に設けておくことが事故防止につながります。できる限り気温が上昇する時間帯を避け、早朝や夕方に作業を集中させることも有効な対策です。
作物への高温影響と管理のポイント

農業従事者にとって、梅雨明け後の酷暑が懸念されるのは体への影響だけではありません。高温は作物にも深刻なダメージをもたらす可能性があります。
水稲では7月下旬〜8月中旬の出穂期前後に35℃を超える高温が続くと白未熟粒が発生するなど、品質低下につながるとされています。野菜類では花粉の活力が低下して着果不良が起こりやすく、果物では着色不良や糖度の低下が懸念されます。
こうした高温障害を防ぐために有効とされる対策として、水稲のかけ流し灌漑による水温の管理、施設野菜での換気・遮光による温度管理などが挙げられます。また、土壌水分が不足すると植物が自ら気温を調節する蒸散機能が低下するため、点滴灌漑や朝夕の灌水で水分を補うことが重要です。
作物の種類や生育ステージに応じた管理の見直しを今一度ご確認いただき、酷暑が続く間は管理の頻度を上げることが求められます。
熱中症コンテンツ・プッシュ通知・ソラテナの活用を

梅雨明け直後からの急激な気温上昇に対応するには、圃場ごとのリスクをリアルタイムで把握できる仕組みを整えることが重要です。
ウェザーニュース for businessの熱中症コンテンツでは、登録地点ごとの時間帯別の熱中症危険度(WBGT指標)をスマホから確認できます。「今日の午後、圃場での作業を続けてよいか」「明日はいつから危険な暑さになるか」を事前に把握することが可能です。
熱中症プッシュ通知を設定しておくことで、警戒アラートの発表を現場で作業中の担当者のスマホに即時配信できます。一人作業が多い農業現場では、管理者を介さずに危険情報をダイレクトに受け取れることが、事故の未然防止につながります。

さらに、小型気象観測機器「ソラテナ」を圃場に設置することで、その場所の気温・湿度・風速などを実測値として取得できます。近隣のアメダスや予測データとは異なる、その圃場ならではの環境を数値で把握できるため、作業の可否判断や高温障害対策の精度を高めることが可能です。
ウェザーニュース for businessやソラテナをを組み合わせることで、農作業の安全管理と作物の品質保全を気象データの面からサポートします。
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