気象災害の影響が年々深刻化するなか、地域差が大きく、同じ県内でも天候が大きく異なる鳥取県では、従来の気象情報だけでは判断が難しい局面の増加を実感。そこで同県は、法人向け気象情報サービス「ウェザーニュースfor business」の災害リスク体制判断支援を導入。県庁内の危機管理部門を中心に、変化の大きい気象に備えた災害リスク対策と情報伝達の効率化に取り組んでいます。実際、どのように気象情報を活用しているのか、鳥取県 危機管理部の都田和彦氏にお伺いしました。
極端な天候が多い時代に立ち向かえる気象情報サービスを選定
「鳥取県は、夏は国内最高気温を記録するほど暑くなるエリアもあれば、冬は山地だけでなく平地でも積雪が見られるエリアもあるなど、同じ県内でも地域差が大きい日本海側気候が特徴です。特にここ数年では線状降水帯による大雨やJPCZ(日本海寒帯気団集束帯)による大雪など極端な気象が目立つようになり、災害リスクへの対応も難しくなっていました」(都田氏)
同じ鳥取市内でも、夏は全国でもトップレベルの酷暑、冬は一変して豪雪地帯になる、という極端な二面性を持っています。


これまでは、複数の気象情報を見比べながら状況を判断していたとのこと。ただし、そこには「分散する情報源による予測の差異」「ピンポイントかつ高精度な気象情報の不足」「県内全域の気象情報を俯瞰で一元管理」など、さまざまな課題もありました。
また、かつての大雪による交通障害や孤立集落といった被災事例からも鑑み、「今の時代の危機管理には、正確な予測とリアルタイムな気象情報が不可欠」という結論に至ったといいます。そこで、「ウェザーニュースfor business」の導入に踏み切りました。
県庁内外での災害情報共有フローを確立し、県民の安全を守る
現在、鳥取県では「ウェザーニュースfor business」を活用し、気象情報の取得から市町村への伝達までスムーズに励行。担当部署が共通の情報をもとに判断する仕組みが、災害対応のスピードと精度を支えています。
具体的には、まず県の危機管理部が「ウェザーニュースfor business」の災害リスク体制判断支援で設定地域ごとに雨量などの時系列の推移を確認。特異な予想があり、危険度が高い場合は、県内の各市町村に迅速に情報を共有します。さらに、必要があれば、直接、県民へメールや、防災アプリなどで情報発信も行って注意喚起をする体制も整えています。
「『今、何が起きているのか』『どこの地域が危険なのか』など、県がスピード感をもって全体を把握し、注意が必要なポイントを示し、関係者全員が共通認識として持てるようになることが大事だと考えています」(都田氏)
鳥取県では災害リスク体制判断支援のほか、週間天気図や解説情報など毎日どこかのタイミングで「ウェザーニュースfor business」を確認しており、大規模イベントや屋外での行事などにも気象情報を活用し、県民の安全確保に努めています。

被災報告時の情報収集と資料作成の時間が3分の1に短縮
「ウェザーニュースfor business」導入後は、作業の迅速化と意思決定の効率化が進んでいます。
「導入前は報告資料作成時には複数のサイト上の情報を手作業で整理していましたが、導入後は必要なデータを画面上で瞬時に確認できるようになりました。そのため、情報収集と資料作成の時間が従来の3分の1程度に短縮されました」(都田氏)
ひとつの情報を共有するようになったことで、対応のズレや情報の伝達ロスも減少。とくに台風や大雪など一定期間の警戒が必要な災害時には、「ウェザーニュースfor business」による各種予測データが活躍しているといいます。
「時間ごとに更新される精度の高い情報をもとに、庁内会議開催だけでなく職員の待機や参集体制の解除のタイミングも調整できるようになりました」(都田氏)
変化する時代、気象データ活用で「情報の整理と正しい選択」を実現する
今後はさらに「ウェザーニュースfor business」を活用した防災の省力化を目指していきたいと話します。
「ここ数年はとにかく気象の変化が激しくなっているのを肌で感じるようになりました。また、入手可能な気象に関する情報も増えています。そんな時代に必要なのは、情報の整理と正しい選択ではないでしょうか。整理と選択を最適に行うためのひとつの手段として気象データを活用することは、防災の省力化にもつながること。今後もこうしたツールの活用を広げていきたいと考えています」(都田氏)
県民の安全を守るために、精緻な気象情報と現場の意思決定を結びつける。その先頭を走る鳥取県の取り組みはこれからも続いていきます。



























