グアルーリョス国際空港(SBGR/GRU)は、ブラジル最大の都市圏・サンパウロに位置し、南米を代表する国際航空ハブの一つです。年間旅客数は南米トップクラスを誇り、北米・欧州・アジアを結ぶ長距離国際線から、ブラジル国内の広大なネットワークを支える国内線まで、多様な路線が集まっています。 本分析では、2019年から2023年までの5年間の観測データ(METAR)を基に、GRUにおける主要な航空気象要素の傾向・特性・発生メカニズムを整理しました。運航判断の精度向上および気象リスクへの事前対応を支援することを目的としています。
空港の特徴
グアルーリョス国際空港は、カンタレイラ山地の森林地帯の近くに位置し、バキリヴ・グアス川とチエテ川の間に広がる湿地性の低地に位置しています。この地形条件により、特に4月から9月の寒冷期に、南大西洋亜熱帯高気圧の影響下で放射霧が発生しやすくなっています。
これらの山地は日中の加熱時に上昇流を生み出す要因にもなり、夏季には気団性雷雨(エアマスサンダーストーム)が発生しやすく、冬季には寒冷前線の通過に伴う降雨が見られることがあります。
降水&雷
降水
・降水の観測は年間を通じて少なく、最も多い2月でも限られた頻度に留まる。夏季にやや多い傾向が見られる。 ・降雪の観測は無い。
雷
・雷は年間を通じて一定の頻度で観測され、夏から秋にかけて多くなる傾向がある。特に1月~3月は他の月と比べて観測頻度が高い。 ・雷の観測が多い時間帯は、18Z-24Zである。11Zを除いて概ねどの時間帯も観測されるものの、現地の夕方~夜の時間帯に偏っている。このことから、前線通過時による界雷の他、午後のヒートローによる熱雷の要因が多いと考えられる。
風向&風速
風向
・風向は年間平均で北東-東風、特に東北東風(60-80°)が、次に南東風(120-130°)が卓越する傾向にある。特に冬(6月-8月)は東北東風の割合が他の季節より顕著になっている。 ・年間を通してCross Windにはなりにくい。
風速
・風速はどの月も4-6ktの発生頻度が最も多く、風速13kt以上の強風が発生することは比較的まれで、冬季にやや多い傾向が見られる。平均を上回るのは5月~10月で冬に比較的強い傾向にある。 ・ガストの発生は年間を通じて非常に少なく、最も多い時期の5月、7月、8月でも限られた頻度に留まる。
視程&シーリング
視程
・視程3200m以下の状況は冬季を中心に観測されるが、概ねどの月にも見られる。800m以下の著しい低視程は比較的まれで、晩秋から冬の5月~7月に集中する傾向がある。 ・視程が3200m以下が観測される時間帯は、08Z-12Zが多い傾向にある。また、800m以下が観測される時間帯は、08Z-12Zに顕著に多くなっている。 ・現地の冬季、特に未明から早朝の時間帯に多く観測されることから、下層の湿った空気や夜間の放射冷却による要因が大きいと考えられる。
シーリング
・1200ft以下の低シーリングは決して珍しくなく、6月・8月~11月に多く見られる。200ft以下の極めて低いシーリングは5月~7月に集中する傾向がある。

























