導入事例

那珂市

市民生活部長兼危機管理監 秋山光広氏

確かな気象情報で迷いのない避難判断が可能に、被害記録の「デジタル資産」を蓄積して防災力の底上げを図る

茨城県の中央部に位置する人口約5万人の那珂市は、「日本さくら名所100選」に選ばれた静峰ふるさと公園や、約25万本のひまわりが咲き誇るなかLuckyFM公園など、四季折々の花と緑に彩られたまちです。市内には一級河川の久慈川や那珂川が流れ、豊かな水資源と自然に恵まれています。

そんな那珂市では、近年激甚化する気象災害への備えとして、法人向け気象情報「ウェザーニュース for business」を導入しています。導入に至った経緯や活用方法について、那珂市 市民生活部長兼危機管理監の秋山光広氏にお聞きしました。

広域情報から那珂市専用のピンポイント予報に変えて、避難判断の迷いをなくしたい

那珂市が導入を検討し始めたのは、出水期の台風や大雨の影響が増加してきた2018年ごろのこと。当時は、気象庁など広域的な無料の情報と昔ながらのデータに頼って対応していましたが、近年は気象変化が激甚化していくなかで、経験則で判断を下すことに難しさを感じていました。

「市民の皆さんにいつ避難を呼びかけるべきか、あるいはいつ体制を強化・緩和すべきか。その判断を行うためには、那珂市という『ピンポイント』な場所で、これから何が起こるのかを正確に把握する必要があります。公的な情報だけではカバーしきれない詳細な情報を得ることで、半日でも早く予測し、備えを万全にしたいと考えました」(秋山氏)

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那珂市 市民生活部長兼危機管理監の秋山光広氏

那珂市は2019年4月から自治体専用の気象情報を活用し、現在はより多くの情報をリアルタイムに確認できる「ウェザーニュース for business」を導入して、さらなる防災体制の強化を図っています。

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「ウェザーニュース for business」の予報&天気報告 那珂市役所、常北(那珂川)、額田(久慈川)を登録している

警報レベルの大雨・強風を事前に察知、那珂川・久慈川上流の雨量も監視して避難指示や体制の判断材料に

台風や大雨の際、那珂市がまず重視しているのが「ウェザーニュース for business」の「体制判断」です。これは気象リスクの高まりを色分けやレベルで表示してくれるもので、状況が悪化するのか改善に向かうのか、何人体制にしたらいいかを一目で把握できる機能です。

「那珂市ではウェザーニューズのリスクスケールがレベル4に達することを、情報収集を開始するトリガーに設定しています。避難指示の発令や解除、体制の強化・緩和を判断する際の非常に重要な判断材料です。庁内の情報共有や対策会議の資料としても活用しています」(秋山氏)

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「ウェザーニュース for business」パソコン版 体制判断支援

また、那珂市内を流れる那珂川や久慈川の氾濫による水害に備え、市内だけでなく上流地域の雨の降り方も注視しています。栃木県や福島県など、那珂市より上流にある地域の1時間ごとの流域平均雨量予測を最大72時間先まで確認しており、市外の降雨が市内の水位にどう影響するかを予測して、河川氾濫のリスクを総合的に判断しています。

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「ウェザーニュース for business」パソコン版 流域平均雨量予測

近年は「ウェザーニュース for business」のスマートフォン版のアプリ活用も進んでいます。予測が難しい線状降水帯のリスクや台風の進路を、外出先や休日でもプッシュ通知で即座に確認できるようになったことで、どこにいても情報を入手できる環境が整いました。これは迅速な初動対応がとれるだけでなく、職員の安全管理においても心強いツールになっていると感じます。

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「雨雲レーダー」で30時間先までの雨雲の動きを確認する様子のイメージ

確かな気象情報があるという安心感が、職員の落ち着いた的確な初動対応につながる

幸いここ数年は大規模な災害に見舞われていませんが、2019年に台風19号が上陸した際には気象情報をもとに迅速に対応。専門的な情報がもたらす価値は大きいと話します。

「もし、ウェザーニュースの情報がなければ、職員が自分たちで無料の情報をかき集め、不確かな中で判断をしなければなりません。それでは対応が後手に回ったり、過剰な準備で疲弊する可能性があります。専門的な見解があることで、そういった課題に煩わされず、空振りを恐れずに早めの準備を呼びかけることが可能になりました。逆に『今日は帰宅して体を休めても大丈夫』という判断を職員に伝えたりすることができます。24時間365日、那珂市専用の情報があるという安心感は、職員が落ち着いて的確な業務遂行を行う上で、非常に大きな効果を生んでいます」(秋山氏)

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那珂市役所

過去の災害記録を「デジタル資産」として蓄積。組織で知見をつなぎ、人事異動に左右されない防災力を積み重ねる

今後は、防災業務のデジタル化を進めていきたいといいます。具体的には、道路冠水などの現場状況を職員が位置情報付きの写真でシステム上に直接記録・投稿する「被害報告」の活用です。

「異動によって職員が入れ替わったとしても、どの程度の雨量でどこが冠水したかという現場の生きた情報をクラウド上に『デジタル資産』として蓄積していくことで、経験の浅い職員でも過去事例を参照して的確に対応できます。自分たちで情報を集めて記録しておくことで、将来の対応力を組織として底上げしていきたいと考えています」(秋山氏)

最先端の気象予測と那珂市独自の知見を融合させ、市民の安全・安心を守るための「攻めの防災」を、那珂市は推進していきます。

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那珂市

事業内容

住民向けの様々な行政サービスやまちづくり

特徴

茨城県那珂市の防災対応に気象情報を活用

規模

301〜1000名

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