黄砂シーズン到来 ― 春の砂塵飛来が航空運航にリスクを与える

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ニュース2026.03.05 00:00

東アジアの空港では、春季を中心に黄砂が飛来し、広範囲にわたる視程低下を引き起こします。 雷雨や霧とは異なり、黄砂は数百~数千kmの広域に同時に影響を及ぼし、複数空港のオペレーションを同時に制約する点が特徴です。季節ごとの飛来パターンを理解することが、安定した運航計画の策定に不可欠です。

黄砂とは

黄砂現象とは、東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から強風により吹き上げられた多量の砂じん(砂やちり)が、上空の風によって運ばれ、浮遊しつつ降下する現象を指します。

出典: 黄砂現象とは|気象庁

中国・日本・韓国の黄砂定義

中国では「砂塵天気(黄砂)」を浮塵・揚砂・砂塵暴(嵐)の三つに分類します。

・浮塵:無風または弱風下で砂塵や微細砂が空中に一様に浮遊し、視程10km以内。遠方からのダストや、砂塵嵐・揚砂後に未沈着のダストが原因。

・揚砂:比較的強い風で地面の砂塵が吹き上げられ、視程1~10km。

・砂塵嵐:強風で大量の砂塵が巻き上がり、視程1km以下。特に瞬間風速25m/s以上(風力10級以上)の強い場合は視界50m以下となり、「黒風」「黒風暴(カラブラン)」と呼ばれる。

一方、日本では強風を伴わない場合が多く、「砂塵天気」と「黄砂」は対応していません。日本の気象庁は黄砂を「主に大陸の黄土地帯で吹き上げられた多量の砂粒子が空中を覆い、徐々に降下する現象」と定義し、目視で観測しています。現在天気06で視程10km未満の場合は「大気現象の記事」として記録し、1989年4月以降は視程10km以上でも明らかな場合に「黄砂」と記録しています。

韓国では黄砂は「Hwangsa」と呼ばれ、観測は目視で行い、飛来状況により強度0~2の3段階で記録されます。

出典: 黄砂関連情報|環境省

黄砂の主な発生源

区分中国八大砂漠中国四大砂地モンゴル
地域タクラマカン砂漠、グルバンテュンギュト砂漠、クムタグ砂漠、ツァイダム盆地砂漠、バダインジャラン砂漠、テンゲル砂漠、ウランブハ砂漠、クブチ砂漠ホルチン砂地、フンシャンダク砂地、ムウス砂地、フルンボイル砂地モンゴル南部ゴビ地域

なぜ春に集中するのか ― 季節メカニズム

黄砂の飛来は3〜5月の春季にピークを迎えます。この季節集中には、明確な気象学的メカニズムがあります。

冬季(12〜2月):黄砂が少ない理由

・降水量が少ないものの、表土が積雪に覆われているため砂塵が舞い上がりにくい

・シベリア高気圧が卓越し、地表付近の風が比較的弱い

・ジェット気流が南方に位置しており、日本方面への輸送経路が形成されにくい

春季(3〜5月):黄砂が急増する理由

・積雪が融解し、乾燥した裸地が露出する

・偏西風が強まり、砂塵の長距離輸送が活発化する

・大陸で低気圧が発達し、強風が頻発する

・ジェット気流が北上し、西日本上空を通過するルートが形成される

・大陸で発達した低気圧や前線が東進すると、その付近・後面にある黄砂が強風に巻き上げられ、日本・韓国方面へ飛来する

夏季以降(6月〜):黄砂が減少する理由

・降水量の増加により砂塵が洗い流される

・植物の生長により地表が被覆される

・秋季には年間で最も黄砂が少なくなる

航空運航への影響

・地上視程が良好でも、上空から滑走路を見渡せないケースが発生する

・濃い黄砂では視程1,000m以下に低下し、着陸カテゴリーの引き上げや空港クローズの可能性がある

・黄砂は広域に影響するため、複数空港が同時に視程低下に見舞われ、代替空港の確保が困難になる

・砂塵粒子がエンジンに吸入されると、ブレードの侵食や性能低下を引き起こす

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