2026年のインド洋南西モンスーンシーズンは、エルニーニョ現象と正のインド洋ダイポールモード現象の発生が予想される中、全体的に平年を下回る活動が見込まれます。開始の遅れと早期終息の可能性が重なり、インド亜大陸への降雨量は平年を下回る見通しです。
概要
| 項目 | 予測 |
|---|---|
| モンスーンの強さ | 期間を通して平年より弱い |
| 開始時期 | 平年並か遅い(5月末〜6月上旬、昨年より遅い) |
| 終息時期 | 平年並か早い(9月中旬までに終息、昨年並) |
インド気象局(4月13日発表)によると、2026年のモンスーン期(6〜9月)のインド全体の雨量は平年比92%と、平年を下回る見込みです。 雨量確率予報:
| かなり少ない | 少ない | 平年並 | 多い | かなり多い |
|---|---|---|---|---|
| 35% | 31% | 27% | 6% | 1% |
弱いモンスーンの背景
① エルニーニョ現象の発生 各国モデルの予想から、シーズン中にエルニーニョ現象が発生する可能性が高い。これによりインド洋東部で対流活動が不活発となり、インド洋全体に東風偏差が生じ、アラビア海南部を中心にモンスーンが平年より弱まる見込み。
② 正のインド洋ダイポールモード現象 インド洋東部で海面水温が平年並か低く、西部で高くなる予想。東部での下降気流卓越と高気圧偏差が、モンスーン活動を抑制する方向に働く。
③ マルチモデルアンサンブルの予測 アラビア海の地上風速は、6〜9月を通じて北部で強く、南部で弱い予想で、高気圧性循環偏差が形成されやすい予想。 *出展:コペルニクス気候変動サービス(C3S)
④ 類似年の傾向 過去の類似SST(海面水温)パターン年(2018・2015・2009・2002・1997年)との比較分析では、いずれの年においても6〜9月のモンスーン平均風速が平年を下回っており、今年も同様の傾向が示唆される。"
開始・終息の見通し
開始(平年並か遅い): 5月のアラビア海の海面水温は平年より高い一方、中東〜インド北部の陸地表面温度は平年並か低い予想です。海陸の表面温度差が小さくなることで、モンスーン開始が平年並か遅れる可能性があります。
終息(平年並か早い): 9月にアラビア半島付近で平年より気圧が高まり、モンスーンが弱まる予想です。類似年でも終息が平年並か早い年が多く、9月中旬までの終息が見込まれます。
運航チームへの示唆
・広域的な豪雨・雷雨の減少により、モンスーン由来の大規模な遅延や空港閉鎖リスクは平年より低下する ・降雨不足に伴う高温・乾燥傾向により、砂塵・ヘイズによる視程悪化や、高温による離陸性能低下リスクが平年より増加する ・モンスーン開始の遅れにより、乾燥季特有のサーマル乱気流や局地対流の影響が長引く などの影響が考えられます。

























