西ヨーロッパ熱波:ブロッキング高気圧とヒートドームによる持続的な異常高温

西ヨーロッパ熱波:ブロッキング高気圧とヒートドームによる持続的な異常高温
ニュース2026.06.22 17:00

現在、上空の主導的な流れが停滞している影響で、ヨーロッパ上空の高気圧(リッジ)も停滞・維持される状態が続いています。このため、今週にかけて気温はさらに上昇し続ける見込みです。

今回、西ヨーロッパが記録的な熱波に見舞われている主な要因

  • ヒートドーム現象:停滞する高気圧(リッジ)が蓋の役割を果たし、高温の空気の塊を閉じ込めている。
  • 下降気流による昇温:高気圧内の下降気流により、空気柱が24時間体制で温められている。
  • サハラ砂漠からの暖気移流:上空850hPaの気温が平年より+14 K以上高く、ピーク時には+18 K以上の正偏差となる。
  • イベリア半島の内陸高原効果:内陸の高原地帯(メセタ)の上空に、厚く乾燥した混合層が形成されている。
  • 大西洋からの寒気の遮断:海からの涼しい空気が完全にシャットアウトされている。
  • 乾燥した土壌と日射:水分の蒸発による熱の吸収がないため、太陽光のエネルギーが直接気温の上昇に変換されている。
  • 乾燥断熱下降による昇温:850hPaから地上へ空気が下降する過程で、さらに+10 K以上の昇温が加わる。
  • 地表面の過加熱:強烈な日差しで焦げ付くような地面のすぐ上の空気が、さらに+3〜+5 K加熱される。
  • 毎日の熱の蓄積:日中に温められた空気が夜間も上空に滞留し続ける。

24日にかけて、スペインからフランス北部周辺では平年に比べて12℃以上も異常な高温になる見込みです。また、イギリス南部もより高温な空気に覆われる予想が出ています。

24日の主要空港の気温予報と運航リスク

一般に、外気温が高くなるほど空気密度は低下し、離陸推力は弱くなります。そのため、離陸可能な重量も小さくなります。 したがって、気温が低いほど離陸時の余裕は大きくなります。

一方で、外気温が30℃後半(36℃以上)になると、その変化率(逓減率)は急激に大きくなります。 このため、通常時でも最大離陸重量に近い状態で運航している機種や路線においては、気温の上昇は重要な運航阻害要因となります。 さらに、異常な高温状態になると、より多くの機種や路線で運航への影響が拡大する可能性があります。

両国の首都にある主要空港の24日の気温予報は以下の通りです:

空港
予想気温(UTC 00–24Zにおける予想最高・最低気温)
スペインマドリード・バラハス空港(LEMD / MAD)最高 39℃ / 最低 25℃
フランスパリ・シャルル・ド・ゴール空港(LFPG/ CDG)最高 41℃ / 最低 25℃

マドリードは標高が約600mと高いため、平地に比べて元々空気密度が低くなっています。そこに39℃という猛烈な暑さが加わることで、「高温」と「高標高」の二重の要因が重なり、航空機の離陸性能への影響が平地よりもさらに顕著に現れる可能性があります。

*世界各地の空港における詳細な予報情報は、弊社の航空事業者向け意思決定支援ツール「SkyAviators」にてご確認いただけます。「SkyAviators」について詳しくはこちら

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